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夢の世界「トイズヒル」で、ミュリエルの魂はさまよう。コンラッドは「薔薇石英みたいな桃色のキラキラ」と形容するし、占い師は「魂は時間のかなたからやってくるものでの 時を戻さんかぎりムダじゃ」と言う。………元々、人間という生き物は、夢や幻や死を目の前にすることで、死んでしまった肉体とは独立した何か、精神的な活動を支配する仮想的な実体を考えようとしてきた。それが「魂」である。多かれ少なかれ、宗教には魂の不滅という主題を見ることが出来る。そうした原初的な「意識の実体」についての問いは、機械論と生気論の長年の対立を経て、現代においては「脳の物理的な機能から意識を説明できるかどうか」という問いに発展していると言えるだろう。もし、私達が全て物理学で説明できる仕組みを使って活動しているのであれば、私達の意識は全て機械化することが出来る。これは、物理学の発展とともに少しずつ醸成されてきた世界観であるが、20世紀中盤にコンピュータが出現してからは、人工知能の可能性は一気に、優れて現実的な可能性として意識されることになる。私達は、岡野史佳作品において、「私達の意識が物理的な世界の論理と制約を越える何かを持つ」という立場に作者が立っていることを、タマシイに関する描写から理解することが出来るだろう。また、同時に、機械が機械を越える何かを持ち得たときに、それを魂と呼びたいのだという意思をもそこから読みとることが出来る。(たてにょん

読み/正式名称/種別/掲載作品

たましい【魂】《時のさまよい》

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