緑のゆびさき

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月コロニーに生まれた少女、空見。友達ののことが好きだったのだけど、そんなとき、地球から来た植物学者の牧野冬至と出会い、何かが変わっていく。宇宙的な世界観の広がりを感じさせる短編。

読み/正式名称/種別/掲載作品

みどり-の-ゆびさき【緑のゆびさき】〔作品〕《LaLa 1997年3月号》

登場キャラクター

関連用語

コメント

  • 冒頭からして圧倒的なセンスを感じさせます。手紙(それが誰から誰への手紙かは追々明かされますが)、薔薇星雲、そしてオープニングビジュアルである「花畑の向こう側に浮かぶ地球」。これだけで、与えられるイメージは強烈です。そして、少しずつ色合いを変えてゆく少女。香るように伝わる想い。久々に、岡野史佳という稀有な少女まんが家の「らしさ」を強烈に感じる漫画でした。言葉と絵を積み重ねていくことで、不思議なリズムが生まれて、そこから、明晰すぎるほど明晰な世界観が形成されます。そして、その世界観は、とても切実なものとして心に迫ってきます。この鮮烈な感覚を味わいたいがために、僕は、岡野史佳の漫画を読んでいるのです。それに付随する色々なものは、実はその感情に比べたら、たわいもないものです。………そして、印象的なラストシーン。空見(このストーリーの主人公)の持つ不思議な瞳とlovin'youが、心に心地よい余韻をもたらします。この作品は、90年代後半に入ってからの岡野史佳の短編の中では、最も初期のテイストを感じさせる作品です。初期短編(「フルーツ果汁100%」の頃までのもの)にある、凄まじいまでの切れ味は無いものの、それにもっとも近い(たとえば「きみは空のしるべ」などに)作品である事は確か。あの頃に比べて、技法的にはおそらく格段に向上しています。こんなに凄い、ある意味宇宙的とも言える作品を描けるのは、岡野先生をおいて他にほとんど居ないといっていいのではないでしょうか。とにかく、何作も生まれ得ない作品であると断言できましょう。(たてにょん