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[[滝本爽音|爽音]]の元に、幼なじみの[[片桐至瑞也|至瑞也]]から届いた手紙そこには「タスケテ」とだけ記されていた。同じ頃、彼らの住む月のコロニーからの音信が途絶える。[[滝本爽音|爽音]]は月のコロニーへ向かうのだが――。ファンタスティック・フューチャーロマン。50頁。
  
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* [[カタリナ第3コロニー]]
 
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== 関連作品==
 
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* 終盤の物語運びに対し、若干の不満を述べておきたい。[[片桐茉莉也|茉莉也]]という人物は、岡野史佳作品において珍しいイヤなヤツである。とにかく可愛げに欠ける。これに匹敵する存在と言えば、寡聞にして[[吉永敦士]]しか知らない。それが納得できる(むさ苦しい野郎であれば尚更)というのに、茉莉也は女性なのだ。しかも幼少のみぎり、丸襟のブラウスを着込み、簡素なワンピースに身を包み、その姿は凛としていながらも、風にたなびく髪には編み込みを入れるというお洒落を忘れることなく、本を両手でぎゅっとにぎりしめている。ちっちゃい時は愛らしかった、というのが誠にもって耐え難い。──って、そういうことを主張したい訳ではなく(^^; この物語において、黄金を欲するミダスは茉莉也その人である。[[片桐至瑞也|至瑞也]]は、その願いを叶えた神であり、ミダスの寵愛を求める者であり、「ミダスの手」の代行者。神話に於いてミダスは、愛する者を黄金に変えたことで自らの愚かさを知った。では、ここにおけるミダスたる茉莉也は? 物語『月光晶』を茉莉也の立場で要約するならば、「至瑞也は、彼が望んでいたものが茉莉也からの愛などではなかったことを知り、去っていった」とでもなろうか。その後については推測するよりほかないが、少なくとも至瑞也の側にとって、彼女を「赦す」ことはあっても、必要とすることはないだろう。神話のミダス王と異なり、たとえ許しを乞おうとも、茉莉也には虚空に向かうよりすべがない。いかにそれが血の繋がらない姉弟であれ、狂気に取り憑かれた人間であれ、訣別によって辿り着く終着に対し、私はいささかの寂しさを覚えずにいられないのだ。茉莉也の最後の台詞は「…至瑞也…」である。これが「至瑞也ッ!(ムカっ)」と言い放つほどに気丈であったら、勧善懲悪スカっと爽やかであったのに。岡野先生ってば、真の悪人を描けないんだからもう。([[おおいしげん]])
 
* 終盤の物語運びに対し、若干の不満を述べておきたい。[[片桐茉莉也|茉莉也]]という人物は、岡野史佳作品において珍しいイヤなヤツである。とにかく可愛げに欠ける。これに匹敵する存在と言えば、寡聞にして[[吉永敦士]]しか知らない。それが納得できる(むさ苦しい野郎であれば尚更)というのに、茉莉也は女性なのだ。しかも幼少のみぎり、丸襟のブラウスを着込み、簡素なワンピースに身を包み、その姿は凛としていながらも、風にたなびく髪には編み込みを入れるというお洒落を忘れることなく、本を両手でぎゅっとにぎりしめている。ちっちゃい時は愛らしかった、というのが誠にもって耐え難い。──って、そういうことを主張したい訳ではなく(^^; この物語において、黄金を欲するミダスは茉莉也その人である。[[片桐至瑞也|至瑞也]]は、その願いを叶えた神であり、ミダスの寵愛を求める者であり、「ミダスの手」の代行者。神話に於いてミダスは、愛する者を黄金に変えたことで自らの愚かさを知った。では、ここにおけるミダスたる茉莉也は? 物語『月光晶』を茉莉也の立場で要約するならば、「至瑞也は、彼が望んでいたものが茉莉也からの愛などではなかったことを知り、去っていった」とでもなろうか。その後については推測するよりほかないが、少なくとも至瑞也の側にとって、彼女を「赦す」ことはあっても、必要とすることはないだろう。神話のミダス王と異なり、たとえ許しを乞おうとも、茉莉也には虚空に向かうよりすべがない。いかにそれが血の繋がらない姉弟であれ、狂気に取り憑かれた人間であれ、訣別によって辿り着く終着に対し、私はいささかの寂しさを覚えずにいられないのだ。茉莉也の最後の台詞は「…至瑞也…」である。これが「至瑞也ッ!(ムカっ)」と言い放つほどに気丈であったら、勧善懲悪スカっと爽やかであったのに。岡野先生ってば、真の悪人を描けないんだからもう。([[おおいしげん]])
 
= 月光晶〔鉱石〕=
 
 
月でほんのわずかしか採れない鉱石。未知のエネルギー源。
 
 
== 読み/正式名称/種別/掲載作品==
 
 
げっこうしょう【月光晶】〔鉱石〕《月光晶II》
 

2015年8月21日 (金) 23:10時点における版

爽音の元に、幼なじみの至瑞也から届いた手紙そこには「タスケテ」とだけ記されていた。同じ頃、彼らの住む月のコロニーからの音信が途絶える。爽音は月のコロニーへ向かうのだが――。ファンタスティック・フューチャーロマン。50頁。

読み/正式名称/種別/掲載作品

げっこうしょう【月光晶】〔作品〕《月刊少女帝国2001年9月号》

登場キャラクター

関連用語

関連作品

  • 月光晶II
    • ただし、ストーリーの直接的な関連性は無い。

コメント

  • 終盤の物語運びに対し、若干の不満を述べておきたい。茉莉也という人物は、岡野史佳作品において珍しいイヤなヤツである。とにかく可愛げに欠ける。これに匹敵する存在と言えば、寡聞にして吉永敦士しか知らない。それが納得できる(むさ苦しい野郎であれば尚更)というのに、茉莉也は女性なのだ。しかも幼少のみぎり、丸襟のブラウスを着込み、簡素なワンピースに身を包み、その姿は凛としていながらも、風にたなびく髪には編み込みを入れるというお洒落を忘れることなく、本を両手でぎゅっとにぎりしめている。ちっちゃい時は愛らしかった、というのが誠にもって耐え難い。──って、そういうことを主張したい訳ではなく(^^; この物語において、黄金を欲するミダスは茉莉也その人である。至瑞也は、その願いを叶えた神であり、ミダスの寵愛を求める者であり、「ミダスの手」の代行者。神話に於いてミダスは、愛する者を黄金に変えたことで自らの愚かさを知った。では、ここにおけるミダスたる茉莉也は? 物語『月光晶』を茉莉也の立場で要約するならば、「至瑞也は、彼が望んでいたものが茉莉也からの愛などではなかったことを知り、去っていった」とでもなろうか。その後については推測するよりほかないが、少なくとも至瑞也の側にとって、彼女を「赦す」ことはあっても、必要とすることはないだろう。神話のミダス王と異なり、たとえ許しを乞おうとも、茉莉也には虚空に向かうよりすべがない。いかにそれが血の繋がらない姉弟であれ、狂気に取り憑かれた人間であれ、訣別によって辿り着く終着に対し、私はいささかの寂しさを覚えずにいられないのだ。茉莉也の最後の台詞は「…至瑞也…」である。これが「至瑞也ッ!(ムカっ)」と言い放つほどに気丈であったら、勧善懲悪スカっと爽やかであったのに。岡野先生ってば、真の悪人を描けないんだからもう。(おおいしげん